
洗濯機の排水システムでお話したように、洗濯機から排出される水には、洗剤自体や洗剤によって浮きあがった衣類に付いている泥や垢、糸くず、髪の毛など、さまざまな詰まりの原因物質が混ざっています。洗濯機から排出される水が何色をしているのか、見たことがありますか?
実は驚くほど茶色く濁っていることが多いのです。
気になった方は、1日着た洋服一式をバケツに入れて、水と洗剤を混ぜて手洗いしてみてください。しばらく洗っていると、はじめは洗剤で白く濁っているだけの水が、茶色くなってくることに気がつくはずです。衣服についた垢や汚れ、泥などが茶色く濁る原因です。これに、糸くずや髪の毛などが混ざることで詰まりの原因となります。セーターをよく洗濯する方は、排出される水の中に糸くずが大量に混ざっていることがあります。
また、犬や猫など動物を飼っている方は、衣類に動物の毛が付着し、それが排出される水の中に大量に混ざっていることもあります。水の中でこれらの不純物が固まったり、排水トラップの中やホースにこびりついたりして、だんだんと大きくなっていき、さらに糸くずや髪の毛などの固形物が絡み付くことによって、加速度的に大きくなり、最後には水が詰まるほど大きなつまりの原因となります。
また、洗濯機の排水口が詰まりを起こす原因のひとつが、洗濯機の排水溝の掃除のしにくさにあります。 キッチンの流しやお風呂場の排水溝に設置されている排水溝は、蓋を開けるとそのまま排水トラップになっているので、掃除が容易です。流れが悪くなったかなと思えば、中を開けて掃除することが簡単にできます。
しかし、洗濯機の排水口はそうはいきません。
洗濯機から出ている排水ホースの先に取り付けられているエルボが、排水トラップに固定されており、それをまずは外さなければいけません。外す作業自体は大して難しくないのですが、ホースと排水溝が固定されているので、掃除が難しい印象を与えます。
また、固定されていたとしても目に見えるところに排水溝があればまだマシです。中には排水溝の位置が洗濯機の真下にある場合があります。近頃よく見かけるドラム式洗濯機などは、サイズが大きいため排水溝を隠してしまうことが多いようです。
このような状況になってしまいますと、簡単には掃除ができません。
洗濯機は重いものですと80kg近くあるため、女性ひとりの力で運ぶのはおろか、男性1人でも難しいでしょう。2人がかりで両側から持って動かすなど、自分以外の誰かの協力が必要になります。気軽に洗濯機の移動を頼める人がいれば別ですが、そうでない場合、定期的なメンテナンスをすることが難しく、つまりが発生しやすくなってしまいます。
排水溝のつまりやすさは洗濯機のタイプによって変わってきます。現在よく使われている全自動式洗濯機と、ドラム式洗濯機でご説明します。結論から言うと、ドラム式洗濯機の方が詰まりやすいといえます。ドラム式洗濯機は、少ない水で洗濯できるため水道代が節約でき、乾燥までしてくれるので便利なのですが、水が少ないということは排水の中の不純物の濃度が高くなります。よって詰まりを引き起こしやすい洗濯機だということになります。
また、排出される水の勢いが弱いため、この点も詰まりを起こしやすい理由のひとつです。
一方、水を大量に使用して洗濯をする全自動式洗濯機は、不純物の濃度が低く、さらに水の勢いも強いため、排水トラップに多少不純物がこびり付いても、水の勢いで流してしまうことが可能です。つまり、洗濯機のタイプとしてはドラム式洗濯機の方が新しいのですが、排水口の詰まりという部分おいては従来の全自動式洗濯機の方が優れていると言えます。
すすぎや脱水の段階になって洗濯機の警告音が鳴る場合があります。エラー表示を見てみると、排水に関するトラブルのようです。このような時、まず排水溝の詰まりを疑ってしまいますが、実は洗濯機内部の排水経路の中に詰まりの原因があるかもしれません。特に、使用する水の量が少ないドラム式洗濯機はつまりやすいメカニズムになっています。
排水溝のトラブルであれば自身で解決する事もできますが、洗濯機内部の排水経路の中でトラブルが起きてしまうと、持ち主が個人で修理するのは難しくなってきます。このような事態になったら、水道業者さんを呼ぶよりも、保証期間内であれば洗濯機を購入した販売店に連絡をする方が良いでしょう。
日本国内でも、気温の低い東北や北海道などの地域で起こりやすいつまりの原因が、凍結です。暖かい家の中に洗濯機を置いている場合はほとんど起こりませんが、屋外に洗濯機を設置している場合などは、冬の寒い日に起こりやすいトラブルです。当然ながら凍結していると水は流れませんので、洗濯機はエラーを起こします。
排水ホースの適正な長さは、洗濯機から排水溝までを結ぶ長さぴったりになるのが望ましいです。短いとホースが届かず、洗濯自体がそもそもできなくなってしまいますが、長すぎる場合は、繋がっているのだから大丈夫、と思ってしまうのではないでしょうか。しかし、排水ホースが長すぎて途中で折れていたりすると、そこで詰まりが発生する可能性が高くなります。単純にホースの折れている部分に水が詰まったり、カーブの部分に排水の中の不純物が溜まってしまい、ホース内部で詰まりを発生させるというケースもあります。また、ホースが途中で10センチ以上立ち上がったり、逆に下がっていたり、不自然な高低差がある場合、うまく排水されずに不純物が溜まりやすくなります。
家の床自体が斜めになっているということはあまりないと思いますが、防水パンの高さにズレが生じていたり、洗濯機自体の脚の下に物などが挟まっていたりすることによって、洗濯機が水平でなくなってしまうことがあります。どこかに重心が偏ってしまうと、洗濯機は基本的に水平な状態で使用されることが想定されているため、正常な排水が行われなくなってしまいます。すると、詰まりが起きこったり、予期しない部分に水がたまる恐れがあります。これも洗濯機内部のつまりの一種です。